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ちょっと堅いタイトルになっちゃいましたが、リノベーションされる方だけでなく、住宅を新築される方にも知っておいて頂きたい「大切なお話」です。

新築住宅をハウスメーカーで建てる時も、地場の小さな工務店でリノベーションをする時も、様々な資材メーカーの設備を購入し、それをパーツとして組み合わせることで家づくりは進みます。昔のように大工さんが現場で様々な木材を加工して家を作る…ということはほとんどありません。建設業界でも分業が進み、メーカーが作ったパーツを「組み立てる」ことが現場の仕事となっています。

例えばトイレであれば、依頼主はTOTOやPanasonic、INAX（LIXIL）などのメーカーから、自分の予算と好みにあった機器を選定します。それぞれの商品には特徴があり、価格帯も様々です。ショールームなどで実際に見て、その中から気に入った商品を絞り込み、最終的には価格も含めて検討される方がほとんどだと思います。

そんな各社のパンフレットには「A社／定価は400,000円」、「B社／定価は350,00円」などと価格が記載されています。ですが、依頼主としては「定価はいいので、実売価格を知りたいな」ということになるのですが、実売価格についてショールームやメーカーの担当者は一切教えてくれません。

その理由は、あくまで住宅設備メーカーは「卸」としてゼネコンや工務店としか取引をしないからです。その結果、卸値は取引先によって大きく異なることになります。大手ゼネコンへの卸値は「定価の60％オフ」なのに対し、地場の小さな工務店には「定価の40％オフ」でしか納入しないようなことがおこるのです。そのため、同じ商品でも「どこで買うか」によって、依頼主が実際に支払う価格は大きく異なります。

もしあなたが気に入っている工務店で「A社のトイレ」を買ったら24万円なのに、大手を経由すると16万円だったりする訳です。家電品であれば「価格.com」などで消費者が一律に比較できる仕組みになっているのに、住宅設備は日本的な「問屋制度」でしか取引が出来ない仕組みなので、消費者にとっては「分かり難い（不明瞭）」し「公平ではない」結果になってしまうのです。

この仕組みを簡単にまとめた図表が、以前もご紹介したサンワカンパニーさんのリーフレットに掲載されていました。


確かに、長年業界の慣習としてやってきた仕組みを変えることは難しいとは思いますが、こんなにもインターネットが普及して価格や性能の比較が容易になっている時代です。こういう「内輪の論理」に対しては「おいおい」という気になられる方もおられるのではないでしょうか。

さらにこの仕組みを複雑にしているのが、メーカーと施工会社間における「販促協力金」や「マージン」の存在です。身近なところでは保険代理店や携帯電話のショップなどでも採用されている制度ですが、一定の販売量を確保する販売店（施工会社）に対してインセンティブ（報奨金）が支払われる制度です。こういう仕組みがあると、どうしても依頼主が使いたいと思っている機種よりも、施工会社の利益につながる商品を勧めてしまう事例が発生します。

はぴりの！ではこういう「業界の慣習」を否定はしませんが、本当に消費者のためになっているかと聞かれると「違うでしょうね」と答えざるを得ません。ですから、多くの施工会社が認めていない「施主支給（依頼主がネットショッピングなどで購入した商品を使用して工事を進めること）」についても、機能的に問題がないメーカーの商品であれば受け入れていますし、価格が自社で仕入れるより優位な場合はネットを経由して購入することもあります。

前回のブログで「サンワカンパニーをオススメする理由の続きは後日」と書きましたが、こちらの会社もこのような業界の慣習にとらわれず、きちんと販売価格を誰に対しても「公平」に開示していることが、はぴりの！の考え方と合うな…と思ったからです。

ステキな家に住むために…とは言いつつも「費用は安く抑えたい」と考えるのは当然のこと。旅行業界や流通業界も消費者との直接取引が拡大した結果、ビジネススキームの変化によって販売者と購入者双方にメリットが出た事例はたくさんあります。住宅業界も、早くそういう方向に進み出したらいいのにな…と思うはぴりの！スタッフでした。

今回はちょっと固いお話でゴメンなさい。次回は楽しいリノベーション情報をお送りしたいと思います。それでは、皆さまよいゴールデンウィークを！

☆ハッピーリノベーション☆
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