リノベーションが広く知られる前は、室内をスケルトン状態にした上で、ゼロから空間を作り上げることが一般的なイメージでした。ですが、それはもう昔の話です。
近年、リノベーション人気が高まっている理由の一つが「部分リノベ」の増加です。家族が長く過ごすリビングだけ、または戸建であれば1階部分だけをリノベするという選択肢が広がっています。
そもそも、リノベーションとは「設備の置き換えだけでなく、同時に間取りも見直すことで、快適な住空間を実現するための手段」ですので、なにもすべてを解体する必要はないわけです。
今回ご紹介するお宅もリビングを中心にプランニングすることで、予算をコントロールしながらも、オトナがワクワクする暮らしの場を実現されました。
リノベーション後のお部屋は、オトナが癒されるホテルライクな空間に仕上がっています。黒をベースカラーとしたシックな空間には、アーバンライクな雰囲気にマッチする家具が設置されています。
信じられないかもしれませんが、下記がリノベ前の宅内です。同じ位置から撮影した写真を見比べても、まったく別のお部屋になっていますよね。
実はキッチンは既存設備を利用しています。吊り戸を撤去し、面材にはシート材を貼ることで大きく印象を変えました。フロア材は既存床に上貼りです。もちろん、クロスはすべて更新していますが、全くと言っていいほど印象が変わりました。
今回のリノベーションでは、リビング部分と隣接した洋室のみを間取り変更しています。改装前後の詳しい間取りは、施工事例のページをご覧ください。
元々あった洋室は間仕切り壁とクローゼットを撤去し、新たにワークスペースとスキップフロアタイプの寝室に更新。リビングとのつながりを感じながらも、プライバシーを確保できる空間となっています。
こういったアーバンライクな空間は、もしかすると万人受けするデザインではないかも知れません。それでも、大切なのはそこに住む人の「暮らしの満足度」をアップする空間づくりではないでしょうか。
もちろん、その時には「予算」も含めて満足度を高めることが重要です。使えるものは活用し、変えるべきは変える。リノベーションが広く知られるようになってきたからこそ、さまざまなご要望に応えていく経験と提案力が、これからのリノベーション会社には求められているように感じています。