Enjoy at Home vol.02
リノベのプロがつくった
心地いい家
2020.07.06
- photo : Norito Nagatomo
Enjoy at Home vol.02
2020.07.06
これからの暮らしの在り方を先取りした実例をご紹介する Enjoy at Home プロジェクト。今回は、はぴりの!スタッフの奥さまと、関連会社の代表を務めるご主人のお家です。リノベーションのプロが築33年の中古マンションをどのようにリノベーションしたのか。そのポイントとこだわりを聞きました。
ご主人
以前はすぐそばにある賃貸マンションに16年間住んでいました。
いつか家を買えたらいいな、とは思っていましたが、
具体的に考えたことはありませんでした。
ところが急遽、はぴりの本体とは別の
会社を立ち上げることになったんです。
奥さま
新会社の代表になると当面は住宅ローンが組みづらくなるし、
年齢的なこともあるから「家を買うなら今しかないよね」
という話をしたその翌日に、この家が売りに出されたんです。
ここなら環境も変わらないし、子供たちの学校も変わらない。
運命的なものを感じて、その後どんどん話が進み、
あっという間に売買契約まで至りました。
ご主人
他の物件を見ることもなかったですね。
見たのはこの物件だけです。
他にもいいのがあるかも?なんて考えていたら、
きっと買えなかったと思います。
▲無垢材の天井とコンクリートの梁がアクセントになっているLDK。
▲壁掛け時計の位置はご主人が試行錯誤して辿り着いたベストポジション。「普通よりもちょっと低めなんですけど、これが絶妙に見やすいんです」
奥さま
キッチンとお風呂とトイレは、
購入時すでにリフォームされていたので、
基本的にはそのまま使っています。
リノベーションって全てを一新するイメージですけど、
使えるものを上手に活用することが、
コストを抑えるコツだと思います。
ご主人
うちはいわゆる「スケルトン」にはしていません。
床の下地もそのまま使用しました。
リノベーションはお金をかけるところと抑えるところの
バランスが大事だと思います。
そういう意味で、天井にはちょっと
お金をかけて無垢の木を使いました。
奥さま
この天井、夜にダウンライトの明かりを少し落とすと、
やわらかい雰囲気になってすごく良いんです。
ご主人
そうそう、バーができそうな感じになるよね。
うちには焼酎しかないけど(笑)。
天井以外では、梁を躯体現しにしたり、
ドアの高さを天井の高さに揃えたのも
こだわりと言えばこだわりです。
そうすることで空間がすっきりします。
リビングのドアは抜け感が出るよう、ガラスドアにしました。
▲購入時すでにリフォームされていたキッチンは扉のみ変更。既存のものを上手に活かすことでコストダウンを実現した。
▲「IKEAのカップボードは収納力があって使いやすいです」と奥さま。
▲「解体してみると梁が良い感じだったので、そのまま残しました」
▲エアコンの配管も、部屋の雰囲気を損なわないよう配慮。
▲キッチンタイルは奥さまが選んだ名古屋モザイクのタイルを採用。
▲家全体は白のクロスで統一し、トイレのみ柄物のクロスを使用している。
奥さま
リノベーションをする際に間取でこだわったのは、
子供たちの個室を確保することと、
可能な限り収納スペースをつくることです。
前の家では下の子がリビングで遊んでいたから、
散らかすとつい子供に「片づけなさい」
と言ってしまいがちでした。
でも子供部屋なら散らかっても気にならないし、
子供も思う存分遊べるし、お互い良かったと思います。
個人的に一番やってよかったのは、
リビングに設置したポール。これ、本当に便利です。
洗濯物も干せるし、シャツをぽんっと掛けておいたり。
大活躍しています。
▲「これが一番やってよかったことかもしれない」という、リビングの壁に設置したポール。
▲中学生の長女と、小学生の長男のための個室もつくり、家族それぞれの空間をしっかりと確保した。
▲ウォークインクローゼットで家族の洋服をスッキリと収納。ボックスの高さに合わせて棚を造作した。
ご主人
家を買ってからは「質の良いモノを買いたい」
という気持ちが強くなりました。
新居に合わせて購入した椅子は、
Yチェアで有名なハンス・J・ウェグナーが
デザインしたヴィンテージチェアで、
家具屋で見つけて一目惚れしました。
フォルムが美しくて、何より座り心地がいい。
すぐに購入を決めました。
奥さま
お値段は結構したけど、
私も主人もとても気に入っています。
今は、ある作家さんにオーダーで
スツールを作ってもらっていて、
出来上がるのが楽しみです。
ご主人
ペット可物件だったから、
猫を飼えたのも大きいですね。
奥さま
猫ちゃんは本当に可愛くて癒されてます。
家族全員デレデレなんです。
▲Yチェアで有名なハンス・J・ウェグナー作のヴィンテージチェア(写真右)。福岡市内の家具専門ショップで一目ぼれして購入した。
▲リビングのソファも同じ家具専門ショップで購入。「リサイクルショップなども活用して、自分たち好みの風合いのある家具を探し出すのが好きです」
▲ペットOKのマイホームで新たに家族の一員となった愛猫のトロちゃん。家族全員を癒してくれる大切な存在だ。
ご主人
家を買ってリノベーションをすることになってから、
家族みんなの会話がさらに増えました。
それはリノベーションをして
良かったことのひとつだと思います。
奥さま
リノベ中はあれこれ悩んだりもしたけど、
本当に良い家ができました。
コロナの影響なのか、家を買ったからなのか、
主人の帰りも前より早くなって、
夜一緒にすごす時間も増えました。
二人ともお酒を飲むのが好きだから、
夜に照明を落としたリビングで、
ゆっくりとお酒を飲む時間が至福のひと時です。
はぴりのスタッフ
リノベーション業界だけのことではないかも知れませんが、プロは意外と自分自身には「こだわらない」のかも知れません。
もちろん、核となるポイントはしっかり押さえつつも、ある程度は「なりゆき」に任せた方が結果的に満足度が高くなることを会得しているのだと思います。
また、家の購入も「家族のタイミング」次第ですので、焦らずに構えたことも「プロ流」ですね。