日本は世界的にも地震が多い地域のため、耐震性能は確かに優れています。また、技術に優れたメーカーも多いので、住宅設備それぞれの機能やデザインについては最先端と言えるのではないでしょうか。
ところが、断熱に関しては「世界基準から大きく遅れている」のが現実です。昔から、高温多湿な日本の風土に基づいて「家は風通しを大切に」という考えで作られていたため、元々断熱に関する意識が低かったことも理由の一つと言われています。
そんな中、世界では温暖化対策として「カーボンフリー」の実現が強く目指されています。社会と私たち自身の未来のために、これからの住まいでは「断熱」が重要な指標となってきます。
断熱性能が低い家だと、冷気や暖気がどんどん屋外へと逃げていきます。ですので、どんなに性能の良いエアコンをつけても、ずっとフル稼働しておかないと「暖まらないし、冷えない」空間になってしまうわけです。
特に大切なのは窓です。窓からのエネルギーロスは50 ~ 70%とも言われています。窓を改修し、宅内の断熱性能を高めるだけでも、住みやすい家へと大きく前進します。
病気になった時は「暖かくして、安静に」が基本です。断熱性能が高い家はそもそも暖かいですし、エアコン代を削減(省エネ)しながら快適な温度を保てます。
逆に断熱性能が低い家だと寒さが防げなかったり、暖房によって結露も発生しやすいために、カビやダニが多発する原因となります。寒さが血圧上昇や脳卒中、呼吸器系疾患にも影響することは研究で証明されています。
外気温が低い北海道は断熱性能に優れた家も多いため、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の発生率が全国で一番低いんです。
逆に、九州は全国と比較して高断熱住宅の普及が遅れています。健康な暮らしのためにも、断熱性能の向上はこれからの常識です。
人間は酸素を吸い、二酸化炭素を放出して生きています。例えば「魔法瓶」くらい気密性の高い空間であれば、短時間であっても酸素が欠乏してしまいます。
気密性の高い家の「断熱効果」が高いことはメリットですが、だからこそ計画的な換気が必要です。また、気密性が高いということは室内で発生した湿度や菌、ほこり、匂いなどが滞留する原因にもなります。せっかく高断熱の家にするのであれば、宅内の空気についてもしっかりと対策することが必要です。
まずはサイズの大きな綿ぼこりや虫の侵入を、外壁面に設置したサイクロンフードで防ぎます。また、宅内の機器内に設置した微小粒子用フィルターが花粉や黄砂、PM2.5の侵入を抑制します。これらのフィルター効果によって、外気をきれいにして取り込みます。
さらにカテキンでウイルスの発生を抑制したり、バイオ除菌で浮遊菌なども除去。交通量の多い地域では、NOxを削減するフィルター設置も可能です。
PM2.5や花粉、黄砂などに伴うアレルギーに悩まれているご家族が増えている中、換気と空気の質にこだわることで、きっと毎日の健康改善につながります。
今回のモデルルームで採用したパナソニックの「熱交気調」システムは、単純に室内外の空気を入れ替える製品ではないんです。
外気と室内の空気を入れ替える際に、外へ逃したくない暖気や冷気をできるだけ室内にとどめて、エネルギーロスを減らしてくれるシステムなんです。
春と秋には室内の気圧を調整し、花粉や粉塵を入りにくくしながら室内の空気質を高めます。夏には室内の冷気が逃げないようにしつつも外気と入れ替え、冬には暖気と湿度が逃げないように工夫しながら快適な空間を作ります。
断熱をしっかりと実施した家であれば、この換気システムと高性能エアコン1台でも快適に過ごせる室内となり、なおかつ電気代も大幅に削減できる仕組みなんです。
人間も健康的に生きていくために、常時呼吸をしています。同じように、家も良い状態を保つために呼吸が必要です。結露やカビが発生してしまうのは、家が上手に呼吸をしていないからです。また、人も体の大きさによって肺活量が違うように、家も大きさによって換気量が違います。 だからこそ、家の大きさに合わせて換気量の計算が必要なんです。
それから、家の呼吸にも人の呼吸と同じように「深呼吸」と「ふだんの呼吸」があります。 深呼吸は台所のレンジフードや浴室の換気などです。ふだんの呼吸が、今回採用されているような「熱交換気システム」です。このシステムが、空気質を向上させながら、24時間365日稼働します。
この家はしっかりと断熱されていて、きちんと呼吸している家です。新築ではなくリノベーションでも、戸建ではなくマンションでも、パナソニックの最新技術で皆さまの快適な暮らしをサポートさせて頂きます。健康で快適にお住まい頂くためにも、24時間365日、呼吸(換気)を止めないようにお願いいたします。