博多から新幹線で約5時間。やってきました浜松へ!
まずは浜松名物のウナギで腹ごしらえです。美味しい~。
浜松駅からタクシーで約20分。茶畑が広がるのどかな景色の中に、トクラスの本社&工場はありました。なんと100年以上もの間、ずっとこの浜松工場でものづくりをおこなってきたそうです。
ここでちょっと補足しておくと、トクラスの旧社名はヤマハリビングテック株式会社。あの楽器で有名なヤマハの住宅設備部門の会社が、2013年に社名変更をしてトクラスが誕生したのです。
明治20年の創業以来、グランドピアノなどの製造で培ってきた技術が、キッチンやバスの製作に活かされているというわけなのです。
さて、本社社員の方に案内をしていただき、いよいよ工場に潜入します。
いろんな秘密を皆さんにお届けするために、バッチリ写真を撮りますよ!
・・・と思ったら
工場内の撮影は企業秘密のためNGでした。うーん、ざんねん!
ということで工場内の様子については、イラストとトクラスさんからご提供頂いた写真でお伝えしていきます。
トクラスのキッチンは、カウンターもシンクもすべて人造大理石でつくられています。ステンレス製のものは一切つくっていません。人造大理石に対して強いこだわりを持っているのです。
人造大理石は一般的に熱に弱いと言われていますが、トクラスの人造大理石キッチンは熱に強いのが特徴です。
カウンターに熱々のフライパンを置いても大丈夫。同社の実験では、350℃に空焼きしたフライパンを10分間放置しても、割れたり変色しにくい特性を備えているとのこと。
(※もちろん大丈夫ではありますが、熱々の物を置くことを推奨しているわけではありません。長く安心してご使用頂くために、鍋敷のご使用をお勧めしています)
また汚れにも強く、軽い汚れは水拭きで、しつこい汚れも中性洗剤でスッキリと落とせます。
これはいったいなぜなのか・・・?
その秘密は「素材」にありました。
通常、他のキッチンメーカーは人造大理石の素材を業者から仕入れてつくります。しかしトクラスは素材から自社で研究開発し、熱や汚れに強いオリジナルの人造大理石をつくっているのです。
しかもキッチンカウンターにはキッチンカウンターに適した人造大理石を、シンクにはシンクに適した人造大理石を、それぞれの用途に合わせてつくっているというから驚きです。
1976年に国内初の人造大理石カウンターキッチンを世に送り出したトクラスは、まさにその道のパイオニア。長年の研究努力により、これまでの常識を覆す人造大理石キッチンをつくりあげたんですね。
人造大理石の素材を自社開発しているのは国内メーカーではトクラスだけ
ひとつひとつ注文を受けてからつくる人造大理石キッチンカウンター
トクラスの人造大理石は衝撃にも強く、頭の高さからうっかり缶詰を落としても、割れたりヘコんだりしません。(※同社テスト結果)
これは素材の特性や密度に加え、厚みも影響しているそうです。キッチンカウンターには、他社の約2倍の厚さの人造大理石が贅沢に使われており、高い強度を実現しているのです。
傷もつきにくい素材ですが、もしすり傷がついてしまっても、ナイロンタワシでこすれば綺麗に無くなります。
これは目に見えないほどの薄さで素材が削れ、新しい表面が下から現れるからだそうです。まさに金太郎あめ的な感じですね。
じゃあ繰り返し削ったらいつかペラペラになってしまうの?って思いますよね。大丈夫です。理論上では1000年(!)削っても無くならない厚みがあるそうです。
(※週1回10往復程度のナイロンタワシでのお手入れを20年続けても、0.1mm程度しか削れません)
トクラスのキッチンが30年以上使い続けても、ずっとキレイなままの理由がわかりましたね。
当モデルルームのキッチンは、コンロ側だけで横幅3.9mというかなりの長さです。これを継ぎ目なしの一枚の人造大理石でつくれるのはトクラスだけ。
在庫を持たず、ひとつひとつ注文を受けてからつくる邸別生産で、ミリ単位の柔軟なサイズ調整が可能なトクラスキッチンは、とってもリノベーション向きだと思います。
ちなみに3.9mもある巨大キッチンは、1年に1個注文があるかないかというレアサイズなのだそうです。
さて、人造大理石のあとは、トクラスキッチンのもうひとつの大きな特徴である「塗装の美しさ」のヒミツに迫ります。
なんと工場内に、塗装技術者の腕を磨くための、秘密の道場があったのです。その名も「匠道場」。
毎年ひとりの若い技術者が選ばれ、1年間生産現場から離れて匠のもとで修業します。
やがてレベルアップしたその技術者は卒業し、また生産現場へと戻り、お客さまの商品づくりに道場で学んだ塗装技術を注ぎ込むのです。
キッチン扉は塗装技術者がひとつひとつ丁寧に手塗りします。(※グレードによって異なります)
美しい鏡面塗装のヒミツは、塗りと研磨を何度も繰り返すまじめな工程と、熟練技術者の「目」と「手」にありました。
扉に使う木材は同じ物が2つとなく、木地や含水率、形や材色などの違いまで把握しながら塗り分けるには、機械にはできない人間の感覚とちょっとした調整が必要だからです。
いかに機械(AI)が発達しようとも、熟練の技術者の目と手には、まだまだ敵わないのだ!
塗装技術だけでなく、色にも徹底的にこだわるのがトクラス流。キッチン扉のカラーは、なんと114種類もの豊富な色から選ぶことができます。
しかもすべての色に「曙色」や「鉛丹色」などの渋い和名がつけられているんです。こういうこだわり、素敵ですよね。
さて、これにてトクラス工場潜入記はおしまいです。お土産にうなぎパイを頂き(ありがとうございます!)、浜松を後にしました。
実際に工場を見学して、トクラスキッチンの秘密をいろいろと知ることができました。とにかくものづくりへのこだわりが凄い。工場内に掲げていた「企業である前にスペシャリストでありたい」という言葉も印象的でした。
「自分たちが良いモノをつくっている自信はあるけど、皆さまへのアピールがまだまだ足りていないと感じているんです」と、トクラスのスタッフさんは話してくれました。
確かに知名度は、他メーカーに比べると高いとは言えないのかもしれません。しかしそんな不器用なところも、人造大理石一筋でものづくりに打ち込むトクラスさんらしさを表しているように感じるのです。
継ぎ目のない一枚天板としては、国内最長サイズの人造大理石カウンターキッチン。ぜひモデルルームへ見に来てくださいね。