The Power of Design
未来を考える
未来を考える

デザインの力 #03

「未来」を考える

株式会社HIGHEND 徳永 祐史

株式会社HIGHEND

徳永 祐史

当プロジェクトの設計・デザインを担当。富裕層向けのハイクラスな新築やリノベーションを得意としている。

株式会社はぴりの 竹内 健太

株式会社はぴりの

竹内 健太

業務管理部 部長。管理系部門の業務と共に、広報やマーケティング部門の責任者も務める。

リノベーション黎明期から、独自のアプローチでハイクラスなリノベーションを手掛けてきた徳永氏と、
はぴりの!で広報やマーケティングを担当する竹内氏が、リノベーションの現在地と未来について語り合いました。

リノベーションの現在地

竹内

徳永さんは、20年前のリノベーション黎明期から、
ずっとこの業界に携わっていますが、
現在のリノベ市場をどのように見ていますか?

徳永

思ったていたほど伸びていないと感じています。
もちろん、20年前に比べれば
盛り上がってはいるんでしょうけど。
いまだに新築が強いままですよね。

竹内

そうですね。家を買う人たちの選択肢として、
新築と同じラインにはまだ立てていません。

徳永

ただ、ここまで新築価格が高騰してくると、
「リノベーションのほうがいいんじゃない?」
と考える人が、もっと増えていくのではないか――
そういう期待感はあります。

竹内

結局、お金でしか世の中は動かないのかもしれませんね。
徳永さんが前回の対談で、
「リノベーションの本質は安さではなく自由設計だ」
と話されていて、ぼくもその通りだと思ったんです。

「完成された新築を買うよりも、
リノベーションで自由な家づくりがしたい」
というニーズが世の中で高まっていれば、
リノベ業界はもっと伸びたはずですよね。

でも実際はそうならなくて、
「新築が買えないから」というきっかけで
リノベーションを選ぶ人がほとんどです。
新築と同じ価格でも、リノベーションのほうが良い!
となることが、本来の価値ですよね。

徳永

そう、それが本来の価値です。
その価値をいちはやく体現していたのが、
富裕層と呼ばれる人たちなんです。

理想の暮らしを実現するために、
新築でさえもリノベーションするわけです。

新築とリノベーション

竹内

新築のことはどう思っていますか?

徳永

まったく魅力を感じませんね。
いまの新築戸建てなんてファサードばかりに力を入れて、
肝心の中身はクロスと床を貼っただけでしょう。
いやいや、外からじーっと家を眺めて、
暮らすわけじゃないんだから・・・。

竹内

(笑)

徳永

新築マンションもモジュールがあって、
どれもこれも同じようなつくりです。
暮らし方は一人ひとり違うはずなのに。

ぼくたちはモジュールなんて気にしません。
廊下は広いほうがいいと思えば広げるし、
この部屋は何畳で~みたいな考え方ではなく、
その人の暮らしに合わせて設計します。

新築を買う人たちに教えてあげたいですよ。
絶対にリノベーションのほうが良いからって。

竹内

一方で「自由に家づくりをしましょう」と言われると、
困ってしまう人がいるのも事実です。

お金とは関係なく、自由設計の家は
ハードルが高いと感じてしまい、
完成された家を買うほうが
安心できるという意見もあります。

徳永

それは我々リノベ会社側の
努力次第だと思いますね。
リノベーションによって実現できる
理想の家や暮らしのイメージを、
どれだけ伝えることができるか。

お客さまの信頼を得ることができれば、
「お任せします」というカタチで、
そのハードルは乗り越えられるはずです。

リノベーションにおける性能とデザイン

竹内

最近のリノベ業界は、断熱をはじめとした
「性能向上」を重視する傾向があります。
それについてはどのように感じていますか?

徳永

ある程度、性能の良い家づくりを
しておいたほうがいいとは思います。

ただ、あまり緻密にやる必要はなくて、
断熱なんかもリノベ前より数値が上がっていれば、
それで十分だと思います。
エンドユーザーもそこまで興味は無いと思う。

でも他に武器を持っていないと、
そこをアピールするしかないんですよね。

竹内

日本人は機能的なところや、
数字で差別化をしがちですからね。
デザインのように感性の部分で差別化するのが、
苦手なのかもしれません。

ぼくは今回のモデルルームを見て、
性能向上によるQOLのアップも大事だけど、
デザイン面から得られる「心の満足度」も
すごく大事だな、と改めて感じたんです。

それこそ「デザインの力」を実感したというか、
やっぱり性能だけではワクワクしませんよね。

徳永

それは本当にその通りで、
家に帰ってきて玄関を開けるたびに、
心が豊かになる家のほうが幸せですよ。

リノベーションの未来

竹内

最後に、徳永さんの今後の目標を教えてください。

徳永

リノベーションが持つ可能性を、
もっと世の中に伝えたいですね。

みんなが思い描くリノベーションの
イメージってありますよね。
躯体現しのビンテージ風や、北欧風のような。
みんなあれをやりたがるじゃないですか。

もっと違うリノベーションもあるんだよ、
ということを広めていきたいです。

竹内

確かに、自由設計が売りだったはずのリノベーションが、
一般化したことにより、画一的になっていますよね。

「リノベーションってこんな感じでしょ」
という定型的な発想でつくられた家が、
再販物件として大量に売られています。
どうしてそうなってしまったのでしょうか?

徳永

東京のリノベーション会社が、
今のリノベーションのイメージを具現化して、
それに憧れた地方の業者や再販会社が
追従している状況だと思います。

でも我々ハイエンドは、20年前から
そことは違う方向性でやってきました。
だから主流に対する憧れは一切無いんです。

今のリノベーション業界を見ていると、
「また同じような家を作っているな」
と感じることがしばしばあります。

今回のモデルルームを通して、
「こんなリノベーションもあるんだ」ということを、
リノベ業界にもエンドユーザーさんにも、
広く知ってもらえたら嬉しいです。

竹内

そんな徳永さんのメッセージが、
しっかりと伝わるモデルルームが
完成したのではないでしょうか。

リノベ業界全体が同じ方向に走らず、
各社がきちんと差別化を図ることで、
もっともっとリノベ市場を
盛り上げていけるといいですね!

( 2025年10月10日 モデルルーム近くの公園にて対談 )
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