リノベーション費用は、どうして分かりにくいのでしょう。入社したばかりのスタッフから質問された際、先輩スタッフたちは3つの切り口で説明します。
まず1つ目は現場の特性、そして2つ目が工事内容、3つ目が設備のグレードです。ワンストップでマイホーム探し中の方だけでなく、リノベーションを検討中の方にとっても指標となりそうなので、もう少し詳しくご説明しておきます。
まず、最初に考えるべき点が構造です。戸建がもっとも高くなりますし、集合住宅であってもラーメン構造のマンションなのか、壁式工法の団地なのかで費用は大きく異なります。もちろん、サイズによっても金額は前後します。
ちなみに、戸建が高くなる理由はサイズが大きいだけでなく、集合住宅と比べて工事の対象箇所が多いからです。築40年で、50坪サイズの戸建であれば、屋根や外装、サッシや玄関ドアなども含めると3,000万円規模になることが一般的です。
続いてのポイントが「工事の内容」です。当社で事例の多い「中古マンション」で、なおかつスケルトンベースの工事を前提としてみましょう。一般的な間取りであれば、木工事や電気工事、配管、内装工事などに関するだいたいの金額は予想がつきます。
ところが「性能向上」に関する費用については、お客さまのご希望次第で大きく変化します。例えば断熱工事や床暖房、IoT、防音に関するリノベーションが予定されている場合、通常とは異なる工事が発生します。必要な部材が追加となるだけでなく、工期や職人も追加となります。つまり、その分だけコストがアップする訳です。
また、工事の内容として、金額に大きく影響するポイントがクオリティです。宅内をクロスではなく塗装で仕上げたり、巾木無しで施工したり、家具のような造作を追加すると、当然費用は高くなります。つまり、デザインや空間の意匠性を高めていくと、必然的にコストアップへとつながります。
そして、最後が「設備のグレード」です。LIXILのキッチンを例にとると、平均的グレードであるシエラSを選ばれた場合、見積りでは50〜70万円くらいが相場です。ワングレード上のノクトでは80〜120万円くらい、そして最上級のリシェルにすると150万円を超える価格になると思われます。
キッチンだけでなく、ユニットバスや洗面、トイレ、床材や室内ドアなど住宅設備にこだわるほど、実金額はアップしていきます。例えばキッチンにこだわりたい方が、トーヨーキッチンスタイルでオーダーメイドすると、キッチンだけで1,000万円を超えることも一般的です。
マイホーム探しをされている方であればご存知の通り、団地など壁式工法の集合住宅は比較的手頃な価格で提供されていますが、その分工事費はアップします。同時に、リノベ前から「断熱工事を追加して、キッチンはグラフテクトにして、床は無垢材を使って、タイルをたくさん貼りたい」という強いこだわりをお持ちの方は、平均的な工事費より高くなる訳です。
どんな製品でも、どんなサービスでも、価格には「裏付け」があります。物件探しでも同様ですが、希望を積み重ねていくと、どうしても予算はオーバーしがちです。リノベーションを検討する際にも「コストアップする仕組み」を簡単に学んだ上で、現実的予算に基づいて「ワクワクするマイホーム」を作り出すことが大切です。
具体的なご相談やお問い合わせがある方は、お気軽に「初めてのマイホーム探し&リノベーション相談会」にご参加ください。お会いできること、楽しみにしています。