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【ワンストップで考える_23】ラーメン構造と壁式構造

ほとんどの「中古マンション購入+リノベーション」を検討されている方は、もちろん「間取り変更もしたい」と思われているのではないでしょうか。そんな方にぜひ知っておいていただきたいポイントが、ラーメン構造と壁式構造の違いです。

簡単に言うと、ラーメン構造とは「鉄筋コンクリート(または、鉄骨鉄筋コンクリート)の柱と梁を組み合わせて作られた建物」です。日本のマンションでもっとも多く採用されている工法で、リノベーションの際にはほとんどの宅内壁を解体することができます。

一方の壁式構造とは、壁自体の強度で上下階を支えている構造です。もちろん、壁自体も鉄筋コンクリートで作られているので、耐震性能はきちんと確保されています。ただし、弱点としては宅内壁のほとんどが「解体できない」ため、間取り変更は限定されます。

ですので、大胆に間取りを変更したい(例えば、3LDKを1ルームにしたいなどの)ご希望がある場合は、ラーメン構造のマンションの方が実現しやすい…ということになります。


続いては、ラーメン構造と壁式構造の簡単な見分け方をお伝えします。

壁式構造は基本的に5階建以下の建物でしか採用されないので、6階建以上の物件はほぼすべてがラーメン構造です。なぜ「すべて」ではなく「ほぼすべて」かと言うと、見た目は6階建だけど、最上階がメゾネットになっているタイプの団地などは、一部では壁式構造を採用されているためです。

※ 低層階のマンションでもラーメン構造で作られているマンションも多数あります。

さらに、現地に行く前の参考として挙げられるのが「壁の厚さ」です。壁式構造の建物では、壁が上下階を支えるため15cmぐらいの厚みのある壁が一般的です。ネットに掲載されている写真にそういった壁が写っている場合、壁式工法の可能性が高いわけです。逆に、ラーメン構造の宅内壁は木または軽量鉄骨で造作されているため、一般的には7~9cmくらいの厚みで壁は造作されています。

こういった視点でスーモやふれんずに掲載されている物件写真を見たり、Googleマップで建物をチェックすると、かなりの確率で壁式構造の建物を見破ることができます。

それでは、壁式構造はデメリットばかりか…というと、そうとも言えません。一番のメリットは地震に対する強度です。壁式構造の建物は低層で地震の際に「建物自体の振り子のような揺れ」が発生しにくいだけでなく、形が「かまぼこ板」のように安定しており、さらに耐力壁が多数配置されているため地震力の分散を図ることができます。

また、建物自体に柱がないため各部屋がスクエアに配置でき、家具などのレイアウトがしやすいのもメリットです。建築主にとっては、建設コストもラーメン構造より安く済むと言われています。


【参考施工例】
https://www.happy-renovation.com/works/detail_164.php

当社でリノベーションしたこちらの物件も壁式構造ですが、間取りの印象はかなり変わっているのではないでしょうか。

どんな不動産にも、そしてどんな建物や設備にもメリットとデメリットはあります。それぞれの特性をしっかりと理解した上で「ムリのない予算内で、私らしい暮らしを実現する」のが、なにより大切なポイントですね。

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