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【ワンストップで考える_34】間取りは「空気と水」で決まる!?

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マンションのリノベーションを検討されている方から、水回り設備は「どの程度まで移設可能か?」と聞かれることがあります。技術上の論理だけで言うと(つまり、デメリットを考慮しなければ)、大抵の場所へ移設可能です。

ユニットバスを窓際に持って行くことも、玄関横にキッチンを設置することも、それほど難しくありません。ただし、その際に課題となるのが「空気と水の通り道」です。もっと端的に言えば、排気と排水のルート確保が重要なポイントです。

まずは、排気について。排気はキッチンからの排煙と、トイレやお風呂場からの排気に分けられますが、特に注意すべきなのがキッチンの排煙です。レンジフードからの排気量はお風呂やトイレと比べてかなり大きいため、ダクトの直径も15cm以上と大型になります。

もちろん、キッチンもお風呂も、最終的には元々あった「排気穴」につなぐ必要があるので、移動した距離分、天井に「ダクトの通り道」を作る必要があります。躯体表しの現場ではスパイラルダクトをそのまま見せる方もおられますが、多くの場合は天井にハリを造作するため、その分だけ天井高が低くなってしまう訳です。


また、排水に関しては空気と逆の課題が生じます。

キッチンやトイレ、お風呂などで使用した排水は、最終的には縦管(PS)へと繋がれ、下水道へと流れます。ご承知の通り、水は高いところから低いところにしか流れないため、大まかに言うと「排水管の設置時には、1/50から1/100以上の勾配が必要(つまり、斜めにする必要がある)」とされています。キッチンを1m移設するだけで、1~2cmほど床の高さを上げる必要がある訳です。

もちろん、プランナーも床下ではなく、壁の中を通す設計を検討するなど、できるだけ床レベルを上げないプランニングを目指しますが、基本的には「移設距離が大きいほど、床の高さを上げる必要がある」と言う考えがベースとなります。

そのため、キッチンを5m移設する場合だと、単純計算で床の高さが5cm以上アップします。さらに、天井にダクトを覆うための梁が新設される場合、結果として天井高が(宅内の一部分とは言え)25~30cmも低くなってしまう訳です。


戸建であれば、そもそも床下や天井裏の空間が広いため、あまり気にしなくていいのですが、マンションの場合、リノベプランの作成時には「空気と水の通り道」を意識することが重要です。

実は、それ以外にもガスや電気、エアコンの冷媒管やドレン、インターネットの配線など、リノベプランの策定においては「見えない部分にある、検討が必要な配管や配線」がたくさんあります。

もちろん、お客さまはすべてを理解されなくていいのですが、裏側の論理を少しでも知っておくことで、ご自分でもリアリティのあるプランを考えることが可能となります。

もっと詳しく知りたい方は、当社の「初めてのマイホーム探し&リノベーション相談会」にご参加ください。さまざまな現場の事例をもとに、分かりやすくご説明させていただきます。

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