不動産探しをしていると、これまで数ヶ月の間「売れる気配がなかった物件」なのに、急に申込が複数続けて入ることがあります。当社だけでなく、他の仲介会社さんも言われていたので「不動産業界あるある」のようです。
今回は、その理由を考えてみたいと思います。
ちなみに「不動産」だと「特殊な商品」という感覚になってしまうので、身近な例としてスーパーマーケットで売られている「牛乳」で考えてみましょう。
A. 価格は500円、サイズは中くらい、品質は☆☆
B. 価格は300円、サイズは小さい、品質は☆☆☆
C. 価格は700円、サイズは大きい、品質は☆
この3点の場合、検討中のお客さま目線では「Bは安くて質はいいけど、家族で飲むには量が少ないので、バランスのいいAにしようかな」と考える人が多いのではないでしょうか。
※ ちなみに、スーパーマーケットではたくさんの牛乳が売られていますが、不動産マーケットはすべて一点ものです。「それが売れたら、同じものは二度と販売されない」という特性があります。ここも大事なポイントですね。
商品の前でしばらく迷っていたとしても「特売になりそうにない」、「店頭に補充される牛乳はなさそう」と感じると、いずれかのタイミングで決断する方が出てきます。
そして、スーパーマーケットには新たなお客さまが入ってくる訳ですし、ほとんどのお客さまは同じ「牛乳」という商品を比較している訳ですから、やっぱり決断するタイミングはどうしても重なる訳です。
これが、不動産探しの現場でも「なぜだか、同時に申し込みが入る」という事象の基本的な理由だと思います。
※ 同じような条件で比較している以上、やっぱり「いいなぁ」と感じる物件はだいたい一緒です。だからこそ広すぎる戸建や狭いマンションなど、そもそも「希望する人が少ない物件=入店者数が少ないスーパーマーケット」だと、売れるまでに長く時間がかかる訳です。
さらに、上記のAがなくなった後、買えなかったお客さまは、新たに販売がスタートしたDという牛乳も含めて比較するようになります。ちなみに、Dの特性は下記のようになっています。
D. 価格は1,200円、サイズは特大、品質は☆☆
そうすると、このスーパーマーケット(不動産売買で言うところの「エリア」)で探しているお客さまは、Dでもいいけど価格自体がやはり高いし、大き過ぎて冷蔵庫に入りきらない…ということで、しばらく悩んだ結果、この中では比較的コスパの良いCを選ぶ方が出てきます。
その際、またまた同じように悩んでいた方も、同じぐらいのタイミングで「Cかな」となる可能性が高い訳です。
ちなみに、こちらのスーパーマーケットですが、来店客数が季節によって大きく異なります。12月から4月はとても混み合って、6月から8月は例年ガラガラです。つまり、年末から春にかけては「お客さまも多いので、結果的に早く売れていく=悩む時間が少ない」訳です。
※ もちろん、スーパーマーケット=不動産市場です。
このような事情で、不動産探し中の方から見ると「ずっと売れていなかったからゆっくり検討していたのに、なんで私が購入しようと決めた途端に売れちゃったの」という悲劇が発生してしまいます。
この悲劇を防ぐためには、普段からたくさんの物件を見て、いよいよとなった際にスピーディーに「購入を決断」をできるよう「気持ちの準備」を進めておくことが大切です。
もちろん、これからの繁忙期、私たちもプラン作成や物件チェックをスピーディーに実施して、お客さまの「チャンス」を活かるよう万全の体制でサポートさせていただきます。