もちろん、技術的には上記の分類だけでなく、もっとたくさん注意点や技術的な課題はあるのですので、大きく分けると上記のような選択肢があります。
お客さまから「傷んだ床をきれいにしたい」と言われた時、私たちの頭の中では上のような状況判断をしつつ、予算に合わせた最適な工法をご提案しよう…と考えている訳です。
ちなみに、コスト的にもっとも安いのは1の「既存床を下地として使いつつ、上貼りする」工法です。
逆に、将来のことを考えるのであれば、2や6のように「二重床にしてしまう」という工法がおすすめです。ただし、その場合は上貼りと比べて100万円以上コストアップにつながる可能性もあります。
ですので、工事されるお宅の築年数や傷み具合、また共用部配管までの経路などにも配慮しつつ、私たちはベターな貼替え方法を提案しようと考えている訳です。
その上、さらにマンションには管理規約があるので、工事のコスト管理だけでなく、遮音等級(L- 45など)など個別ルールの順守が求められます。
お客さまが軽い気持ちで「無垢の床」をご希望された場合だと、単に床材のコストが上がるだけでなく、現場によっては工法も同時に変更せざるを得なくなる可能性が出てきます。
お客さまの感覚としては「ふわふわ床は好きじゃないし、やっぱりリノベーションするなら無垢よね」という簡単な思いで言われた一言でも、プロの視点では一気に予算が跳ね上がっている…と言うこともあり得る訳です。
どんな選択でもメリットとデメリットがあります。
床の貼替え工事を行うだけでも、それぞれのポイントを見比べた上で、最終的にはコストも踏まえて判断して頂く必要がある訳ですね。