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団地リノベは大変だけど面白い

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日本では一般的な団地ですが、世界的に見ると独特な「進化」を遂げた建物と言えます。高度経済成長期、爆発的に増えた都市部に住む人たちの住環境を整備するため、国や地方自治体がたくさんの団地を作りました。



昭和30〜40年代、住宅都市整備公団(現在のUR)や各都道府県の住宅供給公社が作った団地に入居するためには、厳しい抽選を勝ち抜くことが必要でした。お風呂とトイレ、それにシステムキッチン(ガスレンジはなく、一体型給湯器もありませんでした)が整備され、居室空間が3〜4部屋ある夢のマイホームに、当時「三種の神器」と言われたテレビ、洗濯機、冷蔵庫を置くことが人々の夢でした。



最新設備が整い、子育て世代にとても人気があった団地ですが、公団などの公的機関が監修して設計・施工されていたため、民間事業者が建てた集合住宅とは異なる構造で作られている物件が多いのも事実です。

当時の団地は5階以下の低階層の建物でエレベーターがなく、その多くは「壁式」というコンクリート壁で建物自体を支える工法で作られています。そのため、撤去できない壁やハリが多いのが特徴です。また、お風呂も独自仕様が多く、いまでも大手メーカーのユニットバスがなかなか入りません。

※ いまもお風呂の置き換え時は、細かくサイズオーダーが可能な「タカラスタンダード」しか選べないことがほとんどです。そのことがコストアップにつながっています。

また、ガスや空調の配管、コンセントやスイッチの配電などもコンクリート内に埋められていることが多いので、フルリノベーションする時に「難易度が高い=コストがかかる」のが実態です。





はぴりの!では現在、福岡市城南区と春日市の団地でフルリノベーション工事を行なっていますが、どちらのお部屋でもプランニング時にかなりの制約が発生しました。

ひとつは先ほどのような構造上の問題。そしてもう一つが管理組合との意見調整です。

団地の場合、一棟単位ではなく全棟を統括するような規模の大きな管理組合があるため、マンション以上にしっかりと規約が整備されていることが多いんです。同時に、住まわれている方の高齢化が進んでいることもあり、当社が提案するような「がらりと生活空間を更新するフルリノベーション」に対する理解や興味があまり高くありません。

「お風呂を変えた」とか「和室を洋室にした」というような部分単位の改装工事は多いものの、スケルトンを前提にしたフルリノベーション工事で「玄関土間と隣の部屋を一体化して自転車置き場を作りたい」とか、「キッチンを全く別の場所に持っていき、オープンなリビングにしたい」というような大規模改装を申請すると、意外と「NG」を出される場合があるんです。

その根拠について話し合っていくと、技術的な仕様に起因する理由だけでなく、「いままでやったことないし、そこまで改装しなくても自分たちは快適に住めてるからしなくてもいいんじゃないの?」という「理由なき反対」に行き着くことがあります。



そういう時、私たちはお客さまと一緒に管理組合の方と丁寧にお話するようにしています。管理組合の方は、その建物の区分所有者でもあります。当社で取り組むリノベーションが、将来的にはご自身が所有する建物の「資産価値を向上させる」取り組みであることを理解頂き、その上で技術的な不安がある際には一つ一つ解決していくようにしています。



もちろん、お互いの意見が折り合わず、購入されたお客さまの「思い通りにいかない」こともあります。それでも、団地は購入価格自体が一般的なマンションと比べると安いことが多いので、フルリノベーションした際の総額では「コスパのいい」仕上がりになることが多いんです。

広々とした敷地、どのお部屋にも陽が当たるレイアウト、確保しやすい駐車場、強度のしっかりした構造。そして、マンションと比べるとお手頃な価格。

改装には制約があるため、購入前は十分に打ち合わせすることが重要ですが、それでも「団地」には団地の魅力があります。

そんな現場を、10月には見て頂ける予定ですのでどうぞお楽しみに♪

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