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【ワンストップで考える_57】CB壁の取り扱い方法

築古マンションをリノベーションする際、課題となるのがコンクリートブロック壁の存在です。省略して「CB壁」と書かれている場合もあります。基本的には、強度に影響する構造物ではありません。

コンクリートブロック壁とは、分かりやすく言うならば「ブロック塀」と呼ばれるものと同一です。外構や花壇などで使われることが多いコンクリート製のブロックを、マンションの宅内でも壁として使用する工法です。

使用例が多いのは、築40年以上の物件や5階建以下の団地などです。築浅物件においても、共用廊下と専有部の間(ガスメーターや給湯器が置いてあるスペース)などでは使用されています。

コンクリートブロック壁の特徴は、安価で施工が楽な点です。ただし、単に積み上げただけではグラグラするため、空洞内部に鉄筋を入れてコンクリートを流し込み、構造体に固定することが一般的です。また、耐火性能は高いものの、断熱性能はほぼありません。


このような特徴を持つコンクリートブロック壁ですが、基本的には「構造体(上下階を支える強度計算の対象になっている構造)」ではありません。あくまで、簡易的な間仕切り壁として施工されています。

だとすると、リノベ時に「解体OK」と解釈されそうなのですが(実際に、そう言ってしまう事業者もいるようですが)、当社では「壊せないことを前提に検討すべき」と考えています。

主な理由は2点です。1点目は、管理組合が「コンクリートブロック壁を構造体の一部」と見なす場合、解体許可が出ない可能性があるためです。中には「規約を見たけれど、詳しく書かれていないから管理組合に聞く必要がない」と答える施工業者もいるようですが、もちろん論外です。マンションの「共有部」と「専有部」の区別は建築基準法に準拠するだけではなく、管理規約や工事仕様細則など任意の規約にもよるからです。だからこそ、管理組合にきちんと申請し、許可を得る必要があります。

さらに、もう1点が解体に伴うリスクです。「長期間、構造体と一体で配置されていたコンクリートブロック壁が、すでに構造上の支えになっている可能性」、「コンクリートブロック壁と思っていたけれど、鉄筋が構造体と連なっていた」、「解体時の振動で、他の部屋に影響を及ぼした際の責任」などについても考えをめぐらし、リスクを検証しておく必要があるからです。


答えとして曖昧なのですが、コンクリートブロック壁を「解体できるか」のポイントは、単に技術的に壊せるのかではなく、管理組合の考え方や規約、それに周辺住戸への影響も加味して判断すべきというのが当社の基本的な考え方です。

また、問題が発生した際の「責任」についても検討した上で、(管理組合の許可が出たとしても)最終的にはお客さま自身の判断で実施可否をご判断いただくことになります。リフォームやリノベーション会社によっては「そこまでリスクを考えなくても」という意見があることは知っていますが、なにより優先すべきなのは「安心と安全」だと私たちは考えています。

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