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【ワンストップで考える_40】続・住宅設備の金額が分かりにくい理由

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前回に続き、住宅設備の価格が分かりにくい理由を解説していきます。当社でリノベーション中のお客さまからも聞かれることが多い「メーカーから届く見積りが、実際にはいくらになるのか」という考え方(仕組み)についてです。

例えばキッチンの価格に影響をする重要なポイントは、実は「メーカー」ではなく「グレード」なんです。規模が大きなメーカーだと、だいたいキッチンには3グレードを用意しています。リクシルでは高級帯から順にリシェル、ノクト、シエラS。パナソニックだとLクラス、ラクシーナ、Vスタイル。クリナップだとセントロ、ステディア、ラクエラとなります。

ちなみに、もう少しキッチンの事業規模が小さなTOTOやトクラスだと、3グレードではなく2グレードとなります(賃貸向けやバリアフリー商材は除きます)。また、そもそも「定価販売」であるサンワカンパニーやグラフテクト、割引がほとんどないタカラスタンダードなどイレギュラーな例もありますが、ここでは大手キッチンメーカーを例にして考えていきましょう。

ご承知の方も多いと思いますが、住宅設備の金額に影響するのは定価よりも「割引率」です。会社によっては「掛け率」ともいいます。基本的な決まりごとは「高級グレード品の割引率は低く、標準グレード品の値引き率は高い」という点です。


LIXILのキッチンをベースに、もう少し詳しく検証してみたいと思います。

・定価1,000,000円のリシェルは割引率が10%だと、お客さまへの見積り提示額は900,000円となります。

・定価1,000,000円のノクトは割引率が40%だと、お客さまへの見積り提示額は600,000円となります。

・定価1,000,000円のシエラSは割引率が60%だと、お客さまへの見積り提示額は400,000円となります。

こんなにも違うと「定価の意味ないじゃん」と言われそうですが、これが業界の商慣習なんです。しかも、前回のブログで記載したようにメーカーと問屋、工務店やリフォーム(リノベーション)会社との力関係によって、またタイミング次第で割引率は常に変化します。ですので、普遍的な考え方としては「高級品は割引が少なく、標準品は結構安くなる」としか言えないのが実態です。

さらに、施工会社によっては設備に利益をほとんど乗せず、工事費に多額の利益を加算する会社もあるので、結果的には設備費と工賃を合算してみないと、本当の金額は分かりません。その上、さらに考え方を複雑にしているのは「一つの見積書の中でも、選ばれている機器(キッチン本体、レンジフード、ガスコンロ、食洗機など)により、個々の割引率は異なる」という仕組みです。


仮にノクトの割引率が40%だとすると、見積書の定価が2,000,000円の場合、単純計算ではお客さまへの見積り額は1,200,000円となりますよね。しかし、実際は「それぞれの機器ごと」に割引率が違うため、お客さまへの見積り額は異なります。

例えば、2,000,000円の定価内訳が下記だったとしましょう。

(A)キッチン本体(リクシル) 850,000円
(B)レンジフード(アリアフィーナ) 350,000円
(C)ガスコンロ(リンナイ) 250,000円
(D)タッチレス水栓(パナソニック) 150,000円
(E)食洗機(ミーレ) 400,000円

上記の場合、確かに850,000円のキッチン部分の割引率は40%です。しかし、オプションとして選択したアリアフィーナのレンジフードは20%、リンナイのコンロとパナソニックの水栓金具は30%、ミーレの食洗機が10%の割引率だったとします。

※ 本ブログに記載の割引率は、実際の数値ではありません。あくまで、分かりやすく説明するためのダミーです。

(A)キッチン本体(リクシル) 850,000円 × 0.6 = 510,000円
(B)レンジフード(アリアフィーナ) 350,000円 × 0.8 = 280,000円
(C)ガスコンロ(リンナイ) 250,000円 × 0.7 = 175,000円
(D)タッチレス水栓(パナソニック) 150,000円 × 0.7 = 105,000円
(E)食洗機(ミーレ) 400,000円 × 0.9 = 360,000円

そうすると合計額は1,430,000円となり、実際の割引率は29%程度になります。思っていた金額よりも、230,000円もアップして見えますが、割引率が異なる高価なオプションを選択したことが原因です。

このように、お客さまに住宅設備の見積りを提出するためには、さまざまな条件を組み合わせて計算する必要があるため、どんなに優秀な営業スタッフでもその場では金額提起ができない訳です。お客さまの立場ではストレスを感じられるかもしれませんが、家電製品を購入する際のように「簡単に価格を比較すること」は不可能なんです。

※ そもそも、リフォームと違ってリノベにおいては、各社ごとにプラン自体や工事内容が異なるため、住宅設備だけで各社の金額を比較することは実質不可能です。

※ メーカーとしては珍しく、TOTOは平均的な金額(キッチン本体及び施工費)をホームページに掲載していますので、気になる方はご参照ください。

だからこそ、当社では最初の予算配分をとても大事にしています。断熱や耐震などの住宅性能をアップしたい方は、どうしても工事費が高くなります。そこに予算をかけるのであれば、設備はダウングレードすべきです。逆に高額なキッチンを採用されたい方であれば、間取り変更を極力抑えるなどして、工事費ダウンを目指すべきです。

ちなみに、予算に合った設備選定をスムーズに進めたい際のおすすめ方法です。まずは、リノベ担当者に予算内で2社の製品を提案してもらい、そのうちの1社を「基準」とした上で、さらに検討したい他社と「まずは金額をベース」で比較すればスムーズかと思います。初期選定時には食洗機や調理火器、水洗金具、レンジフードなどオプションへのこだわりも担当者に聞かせていただければ、さらにストレスが軽減すると思います。

リノベーションは「モノ」を購入するのではなく、「サービス」を購入するビジネスです。そう考えていただくと、設備選定もスムーズに進むのではないでしょうか。

それから、最後に補足です。各メーカーのショールームスタッフさんは「悪気なく」ですが、どうしても「良い製品=高価な製品」をオススメしがちです。設備をアップグレードすれば、当然「何か」を諦める必要も出てくるので、常に総予算を意識しておくようにしましょう。

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