リノベーションの醍醐味は、何といっても自由であること。だからこそ、今回のご夫婦が目指したのは「自分たちが好きなものに囲まれた空間」を作り上げることでした。
ご夫婦そろってアウトドア好き、さらに奥さまの趣味は木工細工ということで、リノベのコンセプトは「木に囲まれた、温かみのある家」に決定しました。
足元から木のぬくもりを感じられるよう、フローリングはシート材ではなく突板を使用しています。リノベ好きの方はご存知かと思いますが、突板とは「合板の表面に、スライスした天然木を貼り合わせた素材」です。木目をプリントしたシート材に比べて、天然木ならではの風合いや、経年変化を楽しめることが特徴です。
ちなみに、同じ天然木を使用した床材に「無垢フローリング」があります。無垢フローリングとは、文字通り板材一枚で仕上げた床材です。重厚感はもちろん、独特の芳香や気持ちのよい手触りが特徴です。ただし、施工に手間がかかる(つまり、工賃が高くなる)だけでなく、温度や湿度の変化にも弱いため、素材自体の収縮やねじれ、反りが起こりやすいのが難点です。
一方、突板フローリングの特徴としては、無垢ほどではないものの表面の質感が高いことと、合板がベースのため収縮や反りが少ない点が挙げられます。また、表面の木種による価格差も少ないため、高級木材も選びやすく、自動車に置き換えると「電気とガソリンのハイブリット」のような存在です。
今回のお宅ではフローリング用の突板を床だけでなく、キッチンの腰壁にも使用。リビング空間のアイコンとなる箇所に天然木を設置されたことで、ご夫婦が目指した「木の温もりが感じられる空間」を実現しました。
また、宅内いたるところに奥さま手作りの木工細工と、ご夫婦で大切に育てられている観葉植物がレイアウトされており、ご夫婦で「オンリーワンのマイホームづくり」を生活の中で楽しまれていることが伝わってきます。
お客さまが目指す理想の住まいを当社プランナーと共有し、それを具体的なデザインへと導いていく。やはり、リノベーションは「製品」ではなく「サービス」を提供する仕事と言えるのではないでしょうか。完成までのプロセスも含めて楽しんでいただけるよう、これからもお客さま一人ひとりと丁寧に向き合っていきます。
※ 施工例のページには、リノベ前後の図面やその他の情報も記載しています。