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【ワンストップで考える_52】水道が止まる社会

現代の日本で「水道が止まるかも」と言われても、なかなか信憑性を感じないですよね。ですが、現実的な課題として「水道代が大幅アップする」ことは、すでにテレビや新聞などで何度も報道されています。

先日も千葉県内で2割の水道代の値上げが発表され、ニュースやワイドショーなどで話題となっていました。水道代がアップする理由は、設備の老朽化とメンテナンスの人員及び資金不足です。

例えば、2024年4月にNHKが発表したデータによると、全国1,400の上水道事業者が管理している水道管のうち、すでに22%が老朽化しているとのこと。実際、財政破綻した北海道の夕張市では、全国平均で3,343円の水道料金が6,966円と2倍以上になっています。

本件を詳しく調査した一般社団法人「水の安全保障戦略会議」や、会計監査などを手掛ける「EY Japan」の調査によると、今後インフレが進まなかったとしても、22年後には全国で48%程度アップすると発表されています。


実際に日本全体で人口が減少していく中で、多くの地方自治体(特に郊外)では人口だけでなく税収も減少していきます。もちろん、それに伴って水道使用料の収入も減収となります。それなのに、老朽化した施設のメンテナンス費はますます増加していく訳です。

さらに、地方では土木工事や水道工事に従事する事業者数も(高齢化などにより)減少していますし、同時に資材費や労務費はどんどんアップしています。つまり「収入は減るのに、支出は増える」という時代になる訳です。

根本的な利用は人口減少ですが、厳しく突き詰めていくと「これまで日本各地で野放図に新築住宅を作り続けてきたツケを、国民全体で払う時代になってきた」と言えるでしょう。実はドイツやアメリカ(州政府レベル)では、新築住宅の開発は厳しく制限されています。市民が生活する地域を限定しないと、行政のサービスが保てないという基本的な思想があるからです。また、だからこそ、新築よりも中古住宅を活用する知恵と技術が根付いています。

そんな中で、どうすれば生活者は自己防衛できるのでしょうか。社会全体の課題は政治レベルで解決するとして、一人ひとりの暮らしを考えていくならば「財政に余裕がある自治体に居を構えること」が基本的な防衛策となります。

それでは、福岡市のような大都市ならどこでもいいのか…と言うと、そうとも言い切れません。例えば、大都市とは言え人口減少が続く北九州市では、すでに一部の地域で「住宅地を市街化調整区域(住むことを推奨しない地域)に変更する手続き」が進行中です。住民の反対で当初の予定より大幅にエリアが減ったとは言え、本質的には時代にあった取り組みと言えるでしょう。


福岡市でも、都心の中央区などは大丈夫でしょうが、他自治体に隣接した郊外には「ポツンと一軒家」的なエリアが存在します。それでも、自治体としては水道管や下水道を敷設する必要がある訳ですから、経済合理性はとても低くなります。

福岡市以外の近隣市町村の場合、将来はもっと不安です。水道だけでなく、下水、道路、橋などのインフラの新規敷設どころか、既存のメンテナンスに大きな費用がかかるのに、税収は増えないからです。

マイホーム購入時にこういった点まで理解して検討しておくと、将来の「安心できるマイホーム」が実現します。具体的に注意すべきエリアなどにご興味がある方は、当社の「初めてのマイホーム探し&リノベーション相談会」にご参加ください。

お一人ひとりの状況に合わせて、丁寧にアドバイスをさせていただきます。

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