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【ワンストップで考える_56】管理組合と管理会社

皆さんは「管理組合」と「管理会社」の違いを、正しく説明できますか?なんとなく同一視してしまいそうな存在ですが、実は全く性質が異なる組織なんです。

区分所有者(オーナー)の集合体であるマンションの中で、もっとも強い立場なのは当然一人ひとりのオーナーです。そのオーナーたちが集まって、マンション全体に関する「すべてのことを決める権限を持っている組織」が管理組合です。その代表者を、一般的には理事長と呼びます。

その管理組合から業務委託を受けてマンション全体の日常管理を代行するだけでなく、管理組合(理事会)の事務的作業も担当するのが管理会社です。


一般的に、管理会社には2名の担当者がいます。1名が営業担当と呼ばれるスタッフで、ほとんどの仕事は事務所での作業です。また、土日に開催されることが多い理事会や総会のサポートもしてくれます。通常は理事長など管理組合の責任者とやりとりしますが、区分所有者間での大きなトラブルや、対外的な折衝窓口にもなります。とは言え、厳しく聞こえるかも知れませんが「決定権は何もない」ポジションです。すべての決定権は、あくまで「管理組合(それを代表する理事長)」にあるからです。

もう1名は、管理員室などに常駐している現場担当者です。自身でマンションの共用部を清掃する場合もありますし、大規模なマンションだと別途清掃スタッフがいます。そのほか、個別オーナーとの簡単なやりとり(駐輪場シールの発行や回覧板の配布)、簡易的なメンテナンス、営業担当へ報告する文書作成などを行なってくれます。

ちなみに、管理組合の意思で管理会社を変えることも可能です。新築デベロッパーが利益を出しやすい理由の1つが、子会社などに管理委託をする仕組みにあるとも言われています。管理組合と管理会社は「マンションの維持管理を適切に行う」という目的においては、同一のゴールを目指す存在です。

ただし、管理会社にとっては支出が多い方が利益となるため、どうしても「コストを抑える」よりも「管理組合にお金を使ってもらう」方に意識が向きがちなのも事実です。


すべての管理会社ではありませんが、中には利益確保を優先して、管理組合(オーナーたち)に対して不誠実な行動をとっている会社があるのも事実です。インフレの時代になったので、とにかく「安い方がいい」という訳ではありませんが、管理組合と管理会社の関係で言えば「信頼と緊張」が混在しているくらいの方が良いのかも知れません。

また、マンションを購入される方から「理事にならない方法を教えて欲しい」と相談されることがありますが、当社では「自分自身の大切な資産であるマンションを守るために、前向きに参加された方がいい」とお答えしています。確かに、大規模修繕の前などに理事長を務めると大変かもしれませんが、自分たちの意思でマンションの安全性や資産性を高めることができるチャンスでもあります。

管理組合と管理会社の関係を把握するためには、重要事項調査報告書や総会の議案書や議事録、予算及び決算書類を読むことが有効です。また、内覧時に管理人さんと会話してみたり、担当管理会社の「実績や評判」を調べてみるのもオススメです。マイホーム購入時には専有部のことだけでなく、マンション全体の管理についても意識を向けるようにしましょう。

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